祭のあと 2015.02.05
先日、例の天狗まつり・鳩界の大祭が行われた。 (詳細→鳩たちの増加 2015.01.22) ところがそこでは、予想外の事が起きていたのだ。
天狗一行が豆をまいたそばから、 大学生風のボランティア団体が、清掃をしている。 その素早さと一生懸命さとクリーンな雰囲気は、 某遊園地にも引けをとらないほどの素晴しさで、 近隣の人たちの助けになったに違いないけれど、 この日を生き甲斐にしてきたであろう鳩たちの 無念さを思うと、なんともやり切れない。 悲しい気持になって、たいして祭を鑑賞する事もなく、 その日は帰宅したのであった。
良かれと思ってした事が、 誰かの生き甲斐を奪ってしまう事もあるのだ。 みんなの幸せというのは、なんて難しいのだろう。 そんな事を悶々と考えて、数日が経った今日。
冷たいみぞれが降る商店街の一角で、鳩の群を見た。 アスファルトの溝に残っていた僅かな豆カスを、 皆夢中で啄んでいる。 水溜りには豆カスが溶けた豆汁的なものが出来ていて、 これもいける、といった様子で、飲んでいる鳩もいる。 そうこうしている間にも、新たに飛んでくる鳩がいる。 クルルクルル…という鳴き声が、みぞれの音にまじって かすかに響いていた。
よかった。 鳩たちの豆にかける想いに、胸がいっぱいになった。 みんなが幸せになる方法は、きっとある、と思った。 |