先日、例の天狗まつり・鳩界の大祭が行われた。
(詳細→鳩たちの増加 2015.01.22)
ところがそこでは、予想外の事が起きていたのだ。
天狗一行が豆をまいたそばから、
大学生風のボランティア団体が、清掃をしている。
その素早さと一生懸命さとクリーンな雰囲気は、
某遊園地にも引けをとらないほどの素晴しさで、
近隣の人たちの助けになったに違いないけれど、
この日を生き甲斐にしてきたであろう鳩たちの
無念さを思うと、なんともやり切れない。
悲しい気持になって、たいして祭を鑑賞する事もなく、
その日は帰宅したのであった。
良かれと思ってした事が、
誰かの生き甲斐を奪ってしまう事もあるのだ。
みんなの幸せというのは、なんて難しいのだろう。
そんな事を悶々と考えて、数日が経った今日。
冷たいみぞれが降る商店街の一角で、鳩の群を見た。
アスファルトの溝に残っていた僅かな豆カスを、
皆夢中で啄んでいる。
水溜りには豆カスが溶けた豆汁的なものが出来ていて、
これもいける、といった様子で、飲んでいる鳩もいる。
そうこうしている間にも、新たに飛んでくる鳩がいる。
クルルクルル…という鳴き声が、みぞれの音にまじって
かすかに響いていた。
よかった。
鳩たちの豆にかける想いに、胸がいっぱいになった。
みんなが幸せになる方法は、きっとある、と思った。
