絵本のこと4〜校了 2013.08.20

カバー

カバー

先日ついに、2作目の絵本、校了しました!

今回は、手触りや風合いのある、“微塗工紙”というものを選んだのですが、どうしても色が沈むので、1作目の時よりも、色校が難しかったように思います。(1作目は、そもそもインクも違うのですが。)

印刷屋さんに申し訳ないなぁ、と思いつつ、しつこくお願いして、3回目でとてもきれいになって、思わずパチパチと拍手をしてしまいました。柔らかさもあり、発色の良さもあり、よいバランスに仕上げていただきました。印刷屋さんに感謝!

 

いよいよ来週、8月26日に刊行となります。

ずっと勿体ぶっていましたが、タイトルは、「ちいさなぬま」。ぬまが主役のお話です。

書店に並ぶのは、27日くらいになるのでしょうか?Amazonだと、27日発売、となっております。編集さんが考えて下さった、内容紹介も掲載されています。

講談社の絵本通信でも、紹介が始まりました。小さいですが、表紙の画像が掲載されています。多分、他ではまだ出ていませんので、ぜひご覧下さい!

 

編集者のOさんと一緒に、時間をかけて、大切に大切に作った「ちいさなぬま」。

テーマにとらわれすぎると、お話がまとまりすぎて、つまらなくなると思っているので、あまり考えないように気をつけていますが、書き終えてみると、根っこの部分では、やはり1作目と繋がっているように思います。「あぁ、同じ人が書いたんだな」って、人ごとみたいに思いました。

大袈裟な言い方ですが、命がけで(!)、書いた気がします。

ぜひ、読んでみて下さい!

 

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ちょこっとお知らせ。

出版に合わせて、楽しい企画もありそうです。

鎌倉の「ことり文庫」さんで…

詳細は、また追ってお知らせします!

 

絵本のこと3〜制作作業終了 2013.06.19

test

test

昨日ついに、表紙まわりの絵を描き終えました!

ところによっては大雨が降ったようで、途中で降られないかドキドキしましたが、運良く雨には出くわさず、無事に納品する事が出来ました。

表紙まわり、滅多にない贅沢な作りになりそうで、もう言いたくて仕方がないのですが、あとちょっと我慢して内緒にしておきます。

 

先月風に煽られながら納品した中味の方は、テスト校があがってきました。(写真)

数種類の紙で数ページ試し刷りをして、紙を決めていきます。

すごく悩んで、鮮やかな発色よりも、控えめな発色のものを選びました。それぞれに良いところがあるのですが、今回の物語には、控えめな色の方が、合うような気がしたのです。ざらっとした手触りも、雰囲気作りに一役かってくれそうです。

 

昨日で、私の制作の仕事は(多分)終了!あとは、色校正など、確認の作業です。

 

思い返せば2年前の1月、「わたしドーナツこ」の刊行直後に、ふわっと現れた今回の物語。そこから半年ほど、頭の中でコロコロ転がって、段々姿が見えてきて、実際にラフに起こし始めたのが、「ドーナツこ」原画展の直後、8月。

そして刊行は、ラフを起こしてからちょうど2年目の、8月に決まりました!

 

焦った事もあったけれど、きっと物事には、それぞれに適したかかる時間と、世に出るタイミング、それから関わってくれる人たちが実は決まっていて、それに逆らおうと頑張ってもダメだし(といっても、未来は見えないから頑張るしかないんだけど)、でも、間違った頑張り方さえしなければ、結局最後は、その物事の意志で、1番いいところに納まってくれるものなのかもしれない、と思いました。

 

まとまりのない文章になってしまいましたが、肝心の文章はココ!

“8月に、講談社から、2冊目の絵本が出ます”

タイトルは、多分もう公表していいのですが、もう少しだけ勿体ぶっておこうと思います。

絵本のこと2〜納品 2013.05.31

crayon

crayon

前回の更新から1ヶ月以上も経っていて、我ながら驚いていますが、GW明けの強風の日、大きな紙ばさみを風にあおられて飛ばされそうになりながらも、無事に原画を納品してきました!

持ち前のマイナス思考で相当ドキドキしておりまして、「こんなんじゃダメ!」と突き返される光景がなんどもよぎり(そんな人じゃないのに…)、姑息にも手土産などを持参、いざとなったらこれでご機嫌をとろう…などともくろんでいたのですが、特に問題なく、「おつかれさまでした!」と笑顔で受け取っていただけました。あーよかった!

その後は、文章の見直しなどをしつつも、私はしばらく小休憩。(その間、毎年楽しみにしているチラシの仕事をしていました。もうすぐ出来上がるので、こちらも改めてお知らせします。今年もいいのが出来ました〜!)

昨日、デザイナーさんが決まり、これからいよいよ本にする作業が始まります。

とても素敵な方に決まったので、大船に乗った気分でいますが、まずは私が肝心の表紙の絵を描かなくてはいけないのでした。いい絵を描かなくては!

というわけで、書いてみたらそんなに書けることもありませんでしたが…経過報告でした。

絵本のこと 2013.04.18

kamibasami

kamibasami

Twitterや、MOE5月号のプロフィール欄では、すでにお知らせしていますが、今年の秋頃に、新しい絵本が出版される予定です。

一通りのテスト描きを終えて、少しずつ、本番の絵も仕上がってきました。ちょうど今、折り返し地点、といったところです。

今回の絵本は、横長の版形なので、見開きにすると、50cmほどになります。
私は普段、あまり大きなサイズの絵は描かないので、そのサイズの絵を保管するための「紙ばさみ」を持っていませんでした。

しばらくは、トレペをかけた絵を、棚の上にそうっと置いていましたが、うっかり者の私のこと。うっかり汚したりしないかと、どうにもこうにも心配で、新しい紙ばさみを買いにいきました。しかも、とっても可愛いのを!

月光荘のホルンのマークと、赤い背表紙の紙ばさみ。(かなり大きいので、写真に収まりません…!)

「安心」に「可愛い」のオマケもついて、俄然やる気が出てきました。

この紙ばさみを持って、スケジュール通り(これがとっても大事!)、無事に原画を納められる日を楽しみに、頑張ろうと思います。

出版まで、時々こんな風に、ご報告が出来たらと思います。
自分への、適度なプレッシャーのためにも!

幸せな仕事 2013.04.14

moomin

moomin

MOE 5月号のBOOK in BOOK「ムーミンかわいいものBOOK」にて、“東京下町ムーミンさんぽ”という、イラストエッセイを書かせていただきました。

子どもの頃から大好きだったムーミンの物語と、ずっとやってみたかったイラストエッセイというジャンル。誕生日とクリスマスが一緒にやってきたような、本当に幸せな仕事でした。

ムーミンとの最初の出会いは、実家の本棚でした。本好きの叔母からまとめて貰った古本の中にあった「たのしいムーミン一家」。当時は、まだ自分で読める年ではなく、母に読んでもらいました。変な生き物がウヨウヨといる、どこかほの暗い物語。大好きになりました。
「ホクオウ」という単語を、この時母から教えてもらったのを、妙に覚えています。

それから何年かして、アニメの放送が始まったのです。それで、他にも何冊もあると知り、図書館に何度か通って(たしか、上限が3冊だったのです)、夢中で全部読みました。
とにかく大変な事が起こるし、結構みんな変人(!)だし、でも、きっとだからこそ、全ての出来事やモノや生き物が、当たり前のように受け入れられていて、暗いからこそ優しいその世界に、とても憧れました。その世界の住人になりたくて、夢にまで出てくるほど!

今思えば、難しい年頃の時期、自分と周りの違いなんかに、変に悩んだりする時期、このおかしな生き物たちや世界に、ずいぶん助けられていたのかもしれません。

そしてまた、今度は別の形で、助けられてしまいました。
新しいジャンル(それも、ずっとやってみたかった)に、挑戦出来るのは、とても幸せな事です。

もう1度、読み返してみようと思います。
大人になった自分が、今度はどんな風に感じるか、とても楽しみです。

(追記 : このような機会と、不慣れな私の面倒を見て下さったライターのAさんに、心から「ありがとうございます!」と言いたいです。)

おわかれ 2013.03.06

asa_1

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阿佐ヶ谷住宅が、いよいよ取り壊しになるらしい。

最後にもう1度見ておきたくて、今日、久しぶりに行って来た。

中野区に住んでいた頃、友人に教えられて、何度か訪れた事がある場所。

初めて見た時は、「こんな場所があるなんて!」と、本当にびっくりした。

そこは、私たちがある時点で選ばなかったものが、別の次元で存在しているような、「もしもあの時こっちを選んでいたら」の先にあるような、望んでいながらもあり得ないような場所で、あるいはそんな物語に出てきそうな、素晴らしい場所だった。

青い空に、赤い三角屋根、白い壁と黒い数字、木々の緑に、みかんの黄色。その色の組み合わせが、奇跡みたいに健やかに美しくて、私はいつも、そのみかんが欲しくて欲しくて、匂いを嗅いでみたくて、食べてみたくて、うらやましくて、でも叶わなくて。

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今日、久しぶりに訪れた阿佐ヶ谷住宅は、「立ち入り禁止」のロープが至る所に貼られていて、通れる場所は、ごく一部になっていた。その入口近くの大きな木の下に、大きなネコが座っていて、目が合うと、「みゃあ」と言った。

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今日も、やっぱりみかんが、たわわになっていた。切られてしまうのだろうか?と思うと、悲しくて悔しかった。どうしても、記念にひとつ頂きたくて、落ちているみかんを見つけては、手に取ってみたけれど、どれも痛んでいた。だけど、みかんのいい匂いがした。(みかんのことばかり言っていて、バカみたいだけど、果物は、象徴という感じがするのだ。時間と、土地と、生き物と、人の。)

みかんを探していると、木の枝を、少しだけ折っている老夫婦とすれ違った。老夫婦は、こちらに気づくと、ちょっとバツが悪そうに、その枝を、大事そうに抱えて帰った。あ、一緒だ、と思った。

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諦めて帰ろうとして、入口に戻って来た時、木の陰の奥の方に、丸い小さな黄色いものが目に入った。

来た時は気がつかなかったけれど、みかんだった。

小さいけれど、きれいで、いい匂いがした。嬉しくて嬉しくて、心の中で「ひとつ、下さいな」と言って、鞄の中にそっとしまった。

さっきのネコは相変わらず同じ場所にいて、また「みゃあ」と言った。きっと、許してもらえるでしょう。

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この場所には、大きなマンションが建つと聞いた。詳しいことは知らないのだけど、大きなマンションを建てれば、人がたくさん住んで、儲かるから、ということだろうか?

でも、本当に?と思う。

全体の人数は増えていないのに、今の何倍(何十倍?何百倍?)の人が、どこからやって来るというのだろう?

よくわからない。

でも、やって来るのかもしれない。その土地の文脈を、物語を気にしない、新しさや便利さや効率を好む、どこでも生きていける強い人たちが。

そういう人や生き方を、否定しているわけではない。みんながみんな、文脈にとらわれていたら、きっと世界は偏ってしまうだろう。お父さんとお母さんに、別の役割があるように、それぞれの役割を、私たちは担っている。

だけど、少なくともあの場所は、強い人たちの場所ではなかったと思う。文脈を、物語を大切にする、そういう人たちの聖域だったと思うのだ。

生き物はいつか死ぬし、物はいつか壊れるし、そのまま残すことは叶わなくても、せめて良さを残すことは出来ないのか?と思うと、やっぱりモヤモヤとして、やるせない気持を抱えて家に帰った。

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頂いた小さなみかんを、ドライフラワーのように、出来ないかな?

今日の一瞬を、写真みたいに何年も、何十年も、部屋に飾っておきたいな。

そう思った。

ちょっと休憩 2013.02.18

dora

dora

このところ忙しくて、全然日記を書いていないなぁ…と、日付を確認したら、なんと1ヶ月も経っている!!

わわわ…生きています!

今は落ち着いて書く余裕が(というか、仕事してるか食べているか寝ているかなので、書くことも)ないのですが、元気に働いて生きています。

ちょっとくたびれて休憩、の時に、友人に借りて読んだドラえもんの長編漫画に泣きました。

書けることといったら、そのくらいです…(さびしい!)

というわけで、引き続きがんばります!

 

雪! 2013.01.14

yukidaruma

yukidaruma

こんなに積もったのは、久しぶりではないだろうか?

 

朝起きたら雪が降っていて、天気予報によると、1日降り続けるとのこと。

しばらく部屋でじっとしていたのだけど、なんだかそわそわ落ち着かなくて、外に出た。

 

ちょっとした用事を済ませて、せっかくだから、外でお昼ごはんを食べようと思った。

私は、台風とか雪とか、そういう時にどうにもこうにも外に出てしまう癖があって、そういう時に人気のない街を這々の体で歩いて、ガランとしたお店に入って、お店の人のちょっと驚いた顔を見るのが好きなのだ。

この日は、雪の日にこそ南の食べ物を食べよう!と思い立って、大好きなタイ料理のお店に入った。

「今日は余ってしまうから」と、美味しいスープのおかわりを貰えた。それから、今までは挨拶程度だったお店の人とおしゃべりも出来て、ドカドカ降る雪を見ながら南の国のパパイヤを食べ、なんだかとっても贅沢な時間だった!

やっぱり外に出てよかったな、と思いながら、帰り道、小さな雪だるまを作った。

別れがたくて部屋まで連れて帰り、ベランダの手すりに乗せて写真を撮っていたら、その直後に落下した。

出会いあり別れあり!

そんな雪の日だった。

ロウ引きの箱 2013.01.13

hako

hako

今年もまた、素敵な年始のお葉書をたくさんいただけて嬉しい。

この仕事に就いてよかった事は、たくさんあるけれど、これもそのうちのひとつ。

本当に、素敵なのがたくさん!

年始の雰囲気もすっかり落ち着いた今日、1枚1枚見返しながら、ロウ引きの箱に入れました。

毎年毎年、この箱が少しずつ増えていくのが楽しみ。

100万回生きたねこ 2013.01.11

neko

neko

編集のTさんと「100万回生きたねこ」のミュージカルを観に行った。

Tさんのだんなさんが行けなくなってしまったそうで、声をかけてもらったのだ。

音楽を「パスカルズ」のロケット・マツさんが手がけているのを知って、「行きます行きます!」とお返事した。

後で知ったのだけど、人気でなかなかチケットがとれないらしい。ラッキーだった!

わかりやす過ぎず、でも気取り過ぎず、何より、重くなくて可愛い世界になっていたのが、なんというか、すごく上品だなぁ、と思った。本の重さは本のものだと思うから、それがちゃんと守られている感じがして、きっと真摯な人たちが作ったんだろうな、と思った。

音楽はやっぱり素敵で、しかも作詞が友部正人さんだった!豪華!

演目にちなんで、ねこ柄のワンピースで出かけたことを、後でtwitterでつぶやいたら、実はTさんに気づかれていたらしく、ちょっと恥ずかしかった。