絵本のこと7〜原画展終了しました

gengaten

gengaten

ことり文庫さんでの原画展「ちいさなぬまのちいさな原画展」、13日に、無事終了しました。

ご来場いただいたみなさま、本当にありがとうございました!

気にして下さった方々も、ありがとうございます。

 

絵本はなんと、閉店間際に最後の1冊が売れて、完売となりました。

余りもせず、足りなくもならなかったところが、すごいと思います。「小さな奇跡」です!

ことり文庫のカワサキさんは、小さな奇跡の種みたいなものを、たくさん持っている人なんだと思います。お店の中には、その種がたくさん蒔かれていて(というより、はじけて次々飛び出している、というか)、きらきら光っています。本当に光っているので、「うそ!」と思ったら、見に行ってみて下さい。

 

今回も、人に恵まれたなぁ、と思います。

いい出会いをくれた、極楽寺と江の電と、あの辺りの海も山も、大好きになりました。出不精な私にとっては、数少ない大切な場所のひとつになりそうです。

 

これからも、ことりとコトリを、どうぞよろしくお願いします!

 

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最後に、ちょろっとお知らせを。

3冊目の絵本が、春頃出る予定です。

詳細は、また改めてお知らせします。

もう言ってしまったので、気を引き締めてがんばります!

原画展(補足)

kanban

kanban

「ちいさなぬまのちいさな原画展」の会場・ことり文庫さんに、迷わずに来ていただくために、ご来場いただく前に、ご一読下さい。

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☆極楽寺の駅からの道順

江の電「極楽寺」駅で下車→駅前の道を、駅を背にして右方向へ→少し進むと、左手に、「ブーランジュリー べべ」というパン屋さんが見えます→さらに少し進むと、同じく左手に、「ことり文庫」の看板が見えます

駅前の道を、5分程、右に進むだけ。とても分かりやすい道なので、極楽寺駅から歩いて来ていただければ、まず迷子にはなりません。

☆Googleマップは使わないで下さい

新しいお店なので、名前ではヒットしません。住所検索をしても、なぜか間違った場所がヒットしてしまいます。先日、それで迷子になってしまった方がいて、私もそれで初めて気がつきました。他にもいらっしゃったらごめんなさい。

☆車でのご来場は、おすすめしません

駐車場のご用意は、ございません。近くにスペースもありませんので、電車でのご来場をおすすめします。

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絵本のこと6〜原画展

kotori

kotori

8月27日に発売されたばかりの「ちいさなぬま」

鎌倉・極楽寺の絵本店 “ことり文庫” さんで、ちいさな原画展を開いていただけることになりました。

 

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井上コトリ「ちいさなぬま」のちいさな原画展

会場 : ことり文庫
神奈川県鎌倉市極楽寺1−4−12

会期 : 9月5日(木)~10月13日(日)
*毎週木・金・土営業、ただし28日(土)休業、10月13日(日)営業
*臨時休業などは、HPブログツイッター等でお知らせします

時間 : 午前10時~17時ごろ

siroくろ

期間中、ことり文庫さんで「ちいさなぬま」をお買い上げいただいた方、先着10名様に、ノベルティのプレゼントをご用意しております。
特製 “ちいさなぬまバッグ” 。
「ちいさなぬま」がちょうど収まる、B5サイズです。
1点1点、シルクスクリーンで、手刷りしました。
白い沼・黒い沼、各色5枚ずつです。
気になる方は、ぜひ、お早めに!

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こちらは、物語に登場する森の生き物たちをモチーフにした、ポストカードセット。
ちょう・木・鳥・リス・うさぎ、の5枚セットで、750円です。

ことり文庫さんの、みちくさマップを見ながら、秋の鎌倉散歩はいかがでしょう?

お散歩がてら、「ちいさなぬま」のちいさな原画展に、ぜひ、お立ち寄り下さい!

 

☆追記☆

ことり文庫さんへ、迷わずに来ていただくために、ご来場いただく前に、必ず(!)ご一読下さい。

原画展(補足)

 

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ことり文庫の川崎さんには、“ことり” つながりで、帯の文章もいただいております。

“名前がかわいらしいからといって、絵がおしゃれだからといって、
イマドキって決めつけて、通り過ぎたらもったいないよ
「ありがとう」と「さようなら」、そして
もうひとこと伝えられたら、みんなもっとなかよくなれる!
大切なメッセージ、こころにコトリ、と届きました

—–こどもの本 ことり文庫 川崎ふみ”

私は元々イラストレーターなので、雑貨的な絵本だと思われる事が多いのです。
勿論、物としての可愛さも大事に思って作っているし、私自身、内容はよくわからないけど、飾りたくて外国語の絵本を買う事もあるし、絵本の雑貨性を否定するわけでは全然ないのですが、本人は、お話にすごくこだわって作っているつもりなので、多少悩みでもあり。

そんな悩み、お話したこともないのに、この文章をいただいて、とても嬉しかったです。
さすが、書店員さんだな!と思いました。

裏表紙側の帯にあるので、そちらもぜひ、見てみて下さいね。

ことり文庫さんで発行している「ことりタイムス」(写真上)、今回は、私のことも、色々書いていただきました。
出来上がりが、とても楽しみです!

絵本のこと5〜発売!

hatsubai

hatsubai

2作目の絵本「ちいさなぬま」、8月27日に発売しました!

 

決して、明るく爽やかなお話ではないけれど(なにしろ、沼ですし!)、元気いっぱいなお話でも勿論ないけれど。

例えば夜、暗がりを、明るく灯す強さではなく、灯りはないけどぼんやりと、一緒に朝を待つような、そんなお話が書きたかったのです。

 

私たちは、どうしようもない事で、時々苦しくなってしまうことがあります。それは、大人も子どもも、一緒です。

どうしようもない事を、どうしようもない事だ、と受け入れるのは、実は残酷なことなのかもしれません。だからおとぎ話には、“本当はお姫様なのに”しいたげられていたり、“本当な王子様なのに”魔女に醜い姿にさせられているお話が、あるのかもしれません。そこには、今は不当な扱いを受けているけれど、最後には正当な評価を受けられるのだ、という夢があります。

でも現実は、実際お姫様でもないし、魔女に呪いをかけられているわけでもないし、誰のせいでもないけれど、◯◯だ、という事の方が多くて、だからこそ、苦しくなってしまう事があるのだと思うのです。

今回の主人公「ぬま」が、沼である事は、どうしようもなく、変えられる事ではありません。でも、ぬまが沼でありながら、変えられる事だって、きっとあるのだと思うのです。そういう部分を、いつも見ていけたらいいな、と思っています。

「ぬま」がどんな風に変わったのか、ぜひ、読んでみて下さい!

 

ちょっと書き過ぎたかもしれません…
本人が書くと、無粋になるのでなるべく自粛しているのですが…
ブログだし、見る人も限られているし、まぁ、よしとします!

 

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この絵本を出版するために、本当にお世話になった、講談社の小川さん。 新人のくせに、勢いも熱さもない、のらくらな私を、最後まで見捨てずに面倒を見て下さいました。小川さんがいなければ、この絵本は、出版されなかったと思います。本当に、ありがとうございます。

そして、素敵なデザインに仕上げて下さった、デザイナーの阪戸さん・堀さん、ありがとうございます。あの青の色、大好きです。
今回、児童書では珍しく、カバーと本体表紙のデザインが違うのです。ぜひチェックして下さいね!

それから、ことりつながりで、帯文を書いて下さった、ことり文庫の川崎さん。強い言葉を、ありがとうございます。
ことり文庫さんでは、9月5日から、小さな原画展をしていただける事になりました!

それからそれから、前回の「チーム・ドーナツこ」のみなさんと、チャイルドのみなさん。ずっと、あたたかく見守っていただいて、ありがとうございます。なんだかもう、親戚の人たちみたいな、そんなあたたかさで、いつも励まされています。

下北・経堂まわりの、おねえさんおにいさんたちも。いつも、話を聞いてくれたり、励ましてくれて、ありがとうございます。地元でもないのに、近くにそういう人たちがいるの、本当に幸せなことです。

それから、自信がなくて、落ち込んでばかりの私を、「天才!」といって、笑わせてくれる、奇特な友達も。

最後に、「次の絵本は?」と聞いてくれたみなさん。本当に、励まされました。新作、ぜひ読んで下さい!

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あらあら、だいぶ長くなってしまいました…
まぁ、ブログですから…

小さな原画展のことは、また改めてお知らせします!

絵本のこと4〜校了 2013.08.20

カバー

カバー

先日ついに、2作目の絵本、校了しました!

今回は、手触りや風合いのある、“微塗工紙”というものを選んだのですが、どうしても色が沈むので、1作目の時よりも、色校が難しかったように思います。(1作目は、そもそもインクも違うのですが。)

印刷屋さんに申し訳ないなぁ、と思いつつ、しつこくお願いして、3回目でとてもきれいになって、思わずパチパチと拍手をしてしまいました。柔らかさもあり、発色の良さもあり、よいバランスに仕上げていただきました。印刷屋さんに感謝!

 

いよいよ来週、8月26日に刊行となります。

ずっと勿体ぶっていましたが、タイトルは、「ちいさなぬま」。ぬまが主役のお話です。

書店に並ぶのは、27日くらいになるのでしょうか?Amazonだと、27日発売、となっております。編集さんが考えて下さった、内容紹介も掲載されています。

講談社の絵本通信でも、紹介が始まりました。小さいですが、表紙の画像が掲載されています。多分、他ではまだ出ていませんので、ぜひご覧下さい!

 

編集者のOさんと一緒に、時間をかけて、大切に大切に作った「ちいさなぬま」。

テーマにとらわれすぎると、お話がまとまりすぎて、つまらなくなると思っているので、あまり考えないように気をつけていますが、書き終えてみると、根っこの部分では、やはり1作目と繋がっているように思います。「あぁ、同じ人が書いたんだな」って、人ごとみたいに思いました。

大袈裟な言い方ですが、命がけで(!)、書いた気がします。

ぜひ、読んでみて下さい!

 

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ちょこっとお知らせ。

出版に合わせて、楽しい企画もありそうです。

鎌倉の「ことり文庫」さんで…

詳細は、また追ってお知らせします!

 

絵本のこと3〜制作作業終了 2013.06.19

test

test

昨日ついに、表紙まわりの絵を描き終えました!

ところによっては大雨が降ったようで、途中で降られないかドキドキしましたが、運良く雨には出くわさず、無事に納品する事が出来ました。

表紙まわり、滅多にない贅沢な作りになりそうで、もう言いたくて仕方がないのですが、あとちょっと我慢して内緒にしておきます。

 

先月風に煽られながら納品した中味の方は、テスト校があがってきました。(写真)

数種類の紙で数ページ試し刷りをして、紙を決めていきます。

すごく悩んで、鮮やかな発色よりも、控えめな発色のものを選びました。それぞれに良いところがあるのですが、今回の物語には、控えめな色の方が、合うような気がしたのです。ざらっとした手触りも、雰囲気作りに一役かってくれそうです。

 

昨日で、私の制作の仕事は(多分)終了!あとは、色校正など、確認の作業です。

 

思い返せば2年前の1月、「わたしドーナツこ」の刊行直後に、ふわっと現れた今回の物語。そこから半年ほど、頭の中でコロコロ転がって、段々姿が見えてきて、実際にラフに起こし始めたのが、「ドーナツこ」原画展の直後、8月。

そして刊行は、ラフを起こしてからちょうど2年目の、8月に決まりました!

 

焦った事もあったけれど、きっと物事には、それぞれに適したかかる時間と、世に出るタイミング、それから関わってくれる人たちが実は決まっていて、それに逆らおうと頑張ってもダメだし(といっても、未来は見えないから頑張るしかないんだけど)、でも、間違った頑張り方さえしなければ、結局最後は、その物事の意志で、1番いいところに納まってくれるものなのかもしれない、と思いました。

 

まとまりのない文章になってしまいましたが、肝心の文章はココ!

“8月に、講談社から、2冊目の絵本が出ます”

タイトルは、多分もう公表していいのですが、もう少しだけ勿体ぶっておこうと思います。

絵本のこと2〜納品 2013.05.31

crayon

crayon

前回の更新から1ヶ月以上も経っていて、我ながら驚いていますが、GW明けの強風の日、大きな紙ばさみを風にあおられて飛ばされそうになりながらも、無事に原画を納品してきました!

持ち前のマイナス思考で相当ドキドキしておりまして、「こんなんじゃダメ!」と突き返される光景がなんどもよぎり(そんな人じゃないのに…)、姑息にも手土産などを持参、いざとなったらこれでご機嫌をとろう…などともくろんでいたのですが、特に問題なく、「おつかれさまでした!」と笑顔で受け取っていただけました。あーよかった!

その後は、文章の見直しなどをしつつも、私はしばらく小休憩。(その間、毎年楽しみにしているチラシの仕事をしていました。もうすぐ出来上がるので、こちらも改めてお知らせします。今年もいいのが出来ました〜!)

昨日、デザイナーさんが決まり、これからいよいよ本にする作業が始まります。

とても素敵な方に決まったので、大船に乗った気分でいますが、まずは私が肝心の表紙の絵を描かなくてはいけないのでした。いい絵を描かなくては!

というわけで、書いてみたらそんなに書けることもありませんでしたが…経過報告でした。

絵本のこと 2013.04.18

kamibasami

kamibasami

Twitterや、MOE5月号のプロフィール欄では、すでにお知らせしていますが、今年の秋頃に、新しい絵本が出版される予定です。

一通りのテスト描きを終えて、少しずつ、本番の絵も仕上がってきました。ちょうど今、折り返し地点、といったところです。

今回の絵本は、横長の版形なので、見開きにすると、50cmほどになります。
私は普段、あまり大きなサイズの絵は描かないので、そのサイズの絵を保管するための「紙ばさみ」を持っていませんでした。

しばらくは、トレペをかけた絵を、棚の上にそうっと置いていましたが、うっかり者の私のこと。うっかり汚したりしないかと、どうにもこうにも心配で、新しい紙ばさみを買いにいきました。しかも、とっても可愛いのを!

月光荘のホルンのマークと、赤い背表紙の紙ばさみ。(かなり大きいので、写真に収まりません…!)

「安心」に「可愛い」のオマケもついて、俄然やる気が出てきました。

この紙ばさみを持って、スケジュール通り(これがとっても大事!)、無事に原画を納められる日を楽しみに、頑張ろうと思います。

出版まで、時々こんな風に、ご報告が出来たらと思います。
自分への、適度なプレッシャーのためにも!

幸せな仕事 2013.04.14

moomin

moomin

MOE 5月号のBOOK in BOOK「ムーミンかわいいものBOOK」にて、“東京下町ムーミンさんぽ”という、イラストエッセイを書かせていただきました。

子どもの頃から大好きだったムーミンの物語と、ずっとやってみたかったイラストエッセイというジャンル。誕生日とクリスマスが一緒にやってきたような、本当に幸せな仕事でした。

ムーミンとの最初の出会いは、実家の本棚でした。本好きの叔母からまとめて貰った古本の中にあった「たのしいムーミン一家」。当時は、まだ自分で読める年ではなく、母に読んでもらいました。変な生き物がウヨウヨといる、どこかほの暗い物語。大好きになりました。
「ホクオウ」という単語を、この時母から教えてもらったのを、妙に覚えています。

それから何年かして、アニメの放送が始まったのです。それで、他にも何冊もあると知り、図書館に何度か通って(たしか、上限が3冊だったのです)、夢中で全部読みました。
とにかく大変な事が起こるし、結構みんな変人(!)だし、でも、きっとだからこそ、全ての出来事やモノや生き物が、当たり前のように受け入れられていて、暗いからこそ優しいその世界に、とても憧れました。その世界の住人になりたくて、夢にまで出てくるほど!

今思えば、難しい年頃の時期、自分と周りの違いなんかに、変に悩んだりする時期、このおかしな生き物たちや世界に、ずいぶん助けられていたのかもしれません。

そしてまた、今度は別の形で、助けられてしまいました。
新しいジャンル(それも、ずっとやってみたかった)に、挑戦出来るのは、とても幸せな事です。

もう1度、読み返してみようと思います。
大人になった自分が、今度はどんな風に感じるか、とても楽しみです。

(追記 : このような機会と、不慣れな私の面倒を見て下さったライターのAさんに、心から「ありがとうございます!」と言いたいです。)

おわかれ 2013.03.06

asa_1

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阿佐ヶ谷住宅が、いよいよ取り壊しになるらしい。

最後にもう1度見ておきたくて、今日、久しぶりに行って来た。

中野区に住んでいた頃、友人に教えられて、何度か訪れた事がある場所。

初めて見た時は、「こんな場所があるなんて!」と、本当にびっくりした。

そこは、私たちがある時点で選ばなかったものが、別の次元で存在しているような、「もしもあの時こっちを選んでいたら」の先にあるような、望んでいながらもあり得ないような場所で、あるいはそんな物語に出てきそうな、素晴らしい場所だった。

青い空に、赤い三角屋根、白い壁と黒い数字、木々の緑に、みかんの黄色。その色の組み合わせが、奇跡みたいに健やかに美しくて、私はいつも、そのみかんが欲しくて欲しくて、匂いを嗅いでみたくて、食べてみたくて、うらやましくて、でも叶わなくて。

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今日、久しぶりに訪れた阿佐ヶ谷住宅は、「立ち入り禁止」のロープが至る所に貼られていて、通れる場所は、ごく一部になっていた。その入口近くの大きな木の下に、大きなネコが座っていて、目が合うと、「みゃあ」と言った。

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今日も、やっぱりみかんが、たわわになっていた。切られてしまうのだろうか?と思うと、悲しくて悔しかった。どうしても、記念にひとつ頂きたくて、落ちているみかんを見つけては、手に取ってみたけれど、どれも痛んでいた。だけど、みかんのいい匂いがした。(みかんのことばかり言っていて、バカみたいだけど、果物は、象徴という感じがするのだ。時間と、土地と、生き物と、人の。)

みかんを探していると、木の枝を、少しだけ折っている老夫婦とすれ違った。老夫婦は、こちらに気づくと、ちょっとバツが悪そうに、その枝を、大事そうに抱えて帰った。あ、一緒だ、と思った。

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諦めて帰ろうとして、入口に戻って来た時、木の陰の奥の方に、丸い小さな黄色いものが目に入った。

来た時は気がつかなかったけれど、みかんだった。

小さいけれど、きれいで、いい匂いがした。嬉しくて嬉しくて、心の中で「ひとつ、下さいな」と言って、鞄の中にそっとしまった。

さっきのネコは相変わらず同じ場所にいて、また「みゃあ」と言った。きっと、許してもらえるでしょう。

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この場所には、大きなマンションが建つと聞いた。詳しいことは知らないのだけど、大きなマンションを建てれば、人がたくさん住んで、儲かるから、ということだろうか?

でも、本当に?と思う。

全体の人数は増えていないのに、今の何倍(何十倍?何百倍?)の人が、どこからやって来るというのだろう?

よくわからない。

でも、やって来るのかもしれない。その土地の文脈を、物語を気にしない、新しさや便利さや効率を好む、どこでも生きていける強い人たちが。

そういう人や生き方を、否定しているわけではない。みんながみんな、文脈にとらわれていたら、きっと世界は偏ってしまうだろう。お父さんとお母さんに、別の役割があるように、それぞれの役割を、私たちは担っている。

だけど、少なくともあの場所は、強い人たちの場所ではなかったと思う。文脈を、物語を大切にする、そういう人たちの聖域だったと思うのだ。

生き物はいつか死ぬし、物はいつか壊れるし、そのまま残すことは叶わなくても、せめて良さを残すことは出来ないのか?と思うと、やっぱりモヤモヤとして、やるせない気持を抱えて家に帰った。

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頂いた小さなみかんを、ドライフラワーのように、出来ないかな?

今日の一瞬を、写真みたいに何年も、何十年も、部屋に飾っておきたいな。

そう思った。