7月のカレンダーは船。
海の日にちなんで、船。
子どもの頃、親戚の家に行くために、
よくフェリーに乗せられた。
私はその頃から、最悪の事態ばかり想像する癖があって、
沈没するかもしれない、と恐くて仕方がなかった。
父親は、子どもは船ではしゃぐものだ、
と思い込んでいる風だったが、イヤで仕方がなかった。
沈没対策として、普段から、
暇さえあれば、人知れず息を止める練習をしていた。
長く止められないので、まずいと思っていた。
船に乗ると、よくわからないくせに、神様仏様…と念じていた。
大嫌いな水泳教室にも我慢して通った。
水の中で、仰向けになってお腹を上に突き出すと、
浮けるという事が分かって嬉しかった。
もし沈没したら、これをやれば助かる、と思って嬉しかった。
そんな差し迫った理由があって、
運動は苦手なくせに、水泳だけは出来るようになった。
