朝、2度寝をしていると、部屋の中に生き物の気配がする。
おかしい。
私は生き物なんて飼っていないのに。
何か紛れ込んだのだろうか?
うつらうつらと考えていると、
生き物の気配は、どんどん近付いてきて、
ついにベッドに乗ってきた。
寝ている私の顔に、クンクンと鼻を近付けている。
髭がくすぐったい。
猫だ。
今目を開けたら、驚いた猫に顔をひっかかれるかもしれない。
ここは、慎重にいかなければ…
と思ったところで、はっきりと目が覚めた。
勿論、猫なんていなかった。
私は直観的に、ついにあの子が召されたのだ、と思った。
あの子というのは、友人の家の猫で、
もういつ召されてもおかしくない、たいそうな老猫の事である。
飼い主も、今年の冬は越せないかもしれない…
今年の夏は越せないかもしれない…
と、数年間言い続けている。
家族でもない私に、別れの挨拶をしに来てくれたのだろうか?
律儀な猫だなぁ、としんみり思った。
昼間、確信を持って、飼い主に猫の安否を確認してみる。
「元気だよ!」と、少し怒られる。
勘違いでよかった。
