見えない銀行 2014.12.03

ginkou

しばらく前の事だ。

 

目の前を歩くおじさんが、

ものすごく長くて大きなオナラをしたのだ。

ぶーーーーー、と。

本人にそのつもりはなかっただろうけど、

結構な至近距離であり、

ひっかけられたと言っても、言い過ぎではない。

 

でも、特に腹は立たなかった。

「代わり」に、何かいい事があるだろう、

と思ったからである。

 

おじさんに、長くて大きなオナラをされた事を、

ちょっとした不運(仮に-50とする。普通程度のオナラの場合は-10)

とすると、ちょっとした幸運(仮に+50とする)が、

運を扱う見えない銀行のようなところ

(個人の運が常に±0になるように管理している)から支給され、

何かいい事が起こるだろう、と思ったわけだ。

だから、腹が立つどころか、楽しみにさえしていた。

 

ところが、しばらく経った今、

ちょっとした幸運は、まだ起こっていないのである。

段々、腹が立ってきた。

見えない銀行は、私にちょっとした幸運を、

速やかに支給するべきだ。

 

と、怒ったはずみで、ある事を思い出した。

アメンボの事だ。

少し前に、季節はずれのアメンボを見て、

はしゃいだ事があったけれど、

まさか、あれだろうか…?

 

季節はずれのアメンボを見た事を数値化すると、

大体+30〜50といったところだろう。

何やら、辻褄があってきた。

どうやら私は、アメンボに幸運を使ってしまったらしい。

アメンボには悪いけれど、少し残念だ。

 

それにしても、

おじさんのオナラをアメンボで埋めてくるとは、

見えない銀行は、そつが無いなぁ、と思った。