入稿 2015.08.27

20150827

20150827

『てがみがほしいみつあみちゃん』、本文も表紙周りも、

全て入稿されたようだ。

私が遅れた分、編集さんがすごい速さで動いて下さり、

納品してから10日ほどで入稿となった。

すごい!!!

上の写真は、入稿前に確認用に送っていただいたカンプ。

タイトル文字は、書き文字かフォントか迷ったけど、

担当の編集さんやその上司さん、それから、

私もよくお世話になっている編集部内の方の意見も伺って、

書き文字にする事に。

個人的には、フォントの方が落ち着くかな?

と思っていたんだけど、書き文字、頑張って書いたから、

選んでもらえてちょっと嬉しい。

週明け頃、初校が出る予定。

いい色が出ますように!

 

ネズミとおじさん 2015.08.21

nezumi

nezumi

夕方、商店街を歩いていると、

珈琲豆店に入ろうとするおじさんの背後で、

女子高生3人組が、

「気持ち悪いよ」「え〜可愛いよ!」

「気持ち悪いよ」「え〜可愛いよ!」

と繰り返している。

 

少し離れた位置にいる私にも聞こえるくらいだから、

おじさんには確実に聞こえているはずだ。

おじさんの複雑な気持ちを思って、

いたたまれない気持ちになったその時。

 

おじさんの足元を、チョロリと駆け抜ける灰色の塊が見えた。

灰色の塊は、店先に飾られた樽の影に隠れた。

ネズミだ。

そうか。女子高生たちは、ネズミを見ていたんだ。

 

可愛いなぁ、と思った。

その子たちも、いつもは気持ち悪いと思うネズミも、

ついでに本当は関係なかったおじさんも。

珈琲豆店も、ガヤガヤとした商店街も、

ベタベタとした夏の夕方の空気も全部、可愛いと思った。

納品 2015.08.19

20150819

20150819

『てがみがほしいみつあみちゃん』は、先日10日に本文の絵を、

後送で、昨日表紙と裏表紙の絵を納品した。

これから確認作業があるけれど、制作作業はとりあえず一段落だ。

上の写真は、役目を終えた試作たち。

 

今回は、事務的なところで、本当に色々と反省しなきゃいけない。

締切に間に合わなかったのだ。

どうして間に合わなかったかというと、

怠けていたなら反省の内容もシンプルで、

次から怠けなければ済む話なのだけど、

そうではないから、色々と考えないといけない。

怠けていないのに、間に合わなかった。

これは良くない。

怠けていたより、良くないと思う。

 

そもそも今回の仕事は、1年以上前に予定が決まっていた。

だから、いただいたスケジュールが短かったわけでは全くない。

むしろ、決まってから締切までの時間に余裕があったので、

この前にもう一仕事したい、と思ってしまったのだ。

余裕があるといっても、一仕事入れるには、ちょっときつい期間だった。

でも、休まなければなんとかいける!と思ってしまった。

スケジュール帳に、1日も休みがない予定を書き込んだ。

今思えば、アホである。

予定というのは、そもそも余裕をもって立てるものだし、

長期間休まなければ、体調も崩す。

 

思い返せば今までも、私は気持ちで突っ走るところがあった気がする。

身体の事を、ほとんど考えなかった。

それでも何とかなってきたのは、単純に若かったからかもしれない。

「35歳を過ぎると、ガクッと体力が落ちるよ」

という話は、よく聞いてはいたけれど、まさにそれかもしれない。

気持ちだけじゃなくて、身体の事も

考えなきゃいけない年頃になったのかもしれない。

自分より年上で、もっと忙しく活躍している人たちも、

勿論いるわけで、それを思うと、情けない気持ちになるけれど、

自分の体力やペースの事、きちんと考えようと思う。

せっかく好きな事をさせてもらえていて、

すごく幸運な事だし、ありがたい事なのに、

「しんどい」気持ちが前に出て来てしまっては申し訳ないし、

勿体ないし、とにかく絶対良くないと思うから。

 

こんな感じで、反省がやたら多いけど、

良い事も、ちょっとだけあった。

時間がなくて、身体もヘロヘロでしんどかったけど、

全然手は抜かなかった事!

まぁ、当たり前の事なんだけど…。

 

それから、スケジュール的には反省しなきゃいけないんだけど、

1年前に試作していた仕上がりのイメージと、

その後他の仕事をさせていただき、

実際仕上げたイメージは結構違っていて、

実際仕上げたものの方がお話に合っていると思うから、

この時期に本制作出来た事は、制作的には良かったと思う。

いや、やっぱりダメなんだけど…。

 

作品自体は、自分が住みたいくらい大好きな世界が描けた。

巨大なすずらんに、巨大な蕪。

ご機嫌なワニに、空飛ぶ魚。

手のひらに乗るくらい、小さな象や馬。

白い壁に、赤い屋根の家々。

みんながのんきで、でもちゃんとひとりでいる世界。

反省はしつつ、これから仕上がりまで、とても楽しみだ。

8月のカレンダー 2015.08.04

20150804

20150804

8月のカレンダーはタコ。

夏といえば海。

海といえばタコ。

私はイカよりタコが好き。

見た目も味も、タコが好き。

絶対絶対タコが好き。

仕上げる 2015.07.05

20150705

20150705

『てがみがほしいみつあみちゃん』は、

一通り試作が終わって、仕上げの作業に入った。

これは自分の性格の問題で、

本番と変わらない状態の試作をしないと気が済まない。

試作というより、予行練習に近いようなもので、

身近な人からは、

「もうこれ(試作)を提出すればいいんじゃない?」と言われるし、

何より本人が、体力的にも精神的にもしんどいのだけど、

どうしても気が済まないのだから、仕方がない。

多分私は、偶然の力というのが、あまり得意ではないのだと思う。

2枚描くと、なくなるものもあるのかもしれないけれど、

なくならないものが残ればいいと思う。

 

試作中に、誕生日を迎えた。

上の画像は、ハルカゼ舎の日めくりカレンダー。

店主の間瀬さんが作っているもので、

365日違う一言(なんていう労力!)が入っている。

誰かの誕生日には、その人に因んだ一言にしてくれたりする。

それが、有名人の誕生日とかじゃなくて(そういう日もあるかもしれないけれど)、

間瀬さんの友達の誕生日というのが、何だかすごく好きだ。

去年は『ちいさなぬま』に、今年は『かきたいな かきたいな』に

因んだ一言にして頂いた。

嬉しいから、毎年とってある。

 

人生の先輩に、こんな言い方は何だか失礼だと思うけれど、

間瀬さんは、人を嬉しい楽しい気持にするのが、本当に上手な人だ。

上手というと、ちょっと語弊があるかもしれない。

営業トークが上手とか、そういう事では全然なくて、

自然に当たり前に、そういう人なんだと思う。

お店をやるって、きっとそういう事なんだろうな、と思う。

間瀬さんだけじゃなくて、魅力的なお店の人たちは、

どこかみんなそうだ。

そういう人を見ると、「天職」という言葉が浮かぶ。

本人がどう思っているかは、また別の問題と思うけど、

少なくとも他人が見てそう思うって事は、

他人を幸せにしてるって事だから、すごい事だと思う。

かっこいいな、と思う。

 

私も、天職って思える日がきたら幸せだな、と思う。

思われたら、さらに幸せだな、と思う。

いつかそんな日は来るのかな?と、

そんな事を考えた誕生日だった。

7月のカレンダー 2015.07.04

20150704

20150704

7月のカレンダーは船。

海の日にちなんで、船。

 

子どもの頃、親戚の家に行くために、

よくフェリーに乗せられた。

私はその頃から、最悪の事態ばかり想像する癖があって、

沈没するかもしれない、と恐くて仕方がなかった。

父親は、子どもは船ではしゃぐものだ、

と思い込んでいる風だったが、イヤで仕方がなかった。

沈没対策として、普段から、

暇さえあれば、人知れず息を止める練習をしていた。

長く止められないので、まずいと思っていた。

船に乗ると、よくわからないくせに、神様仏様…と念じていた。

大嫌いな水泳教室にも我慢して通った。

水の中で、仰向けになってお腹を上に突き出すと、

浮けるという事が分かって嬉しかった。

もし沈没したら、これをやれば助かる、と思って嬉しかった。

そんな差し迫った理由があって、

運動は苦手なくせに、水泳だけは出来るようになった。

アメンボからのメッセージ 2015.06.19

amenbonosei

amenbonosei

小雨の降る中、駅に向かって歩く。

小川沿いの、いつもの散歩道を通る。

梅雨時になって、シロウを見かけなくなった。

少し寂しい。

 

小川にかかる小さな橋を、リュックを背負った外国人男性が、

こちら側に向かって小走りで渡って来る。

傘はさしていない。

高校だったか大学だったか、英語の授業で先生が、

「外国人はあまり傘をささない」と言っていたけれど、

本当なのだなぁ、などと考えていると、

その外国人男性が、私を追い越しながら、

Tシャツを脱いで上半身裸になったから、驚いた。

肩に立派な肩毛が生えていたから、また驚いた。

そんなに体毛の濃い人ではなかったから、さらに驚いた。

 

アメンボは、手のひらに毛が生えていて、

それで水に浮く事が出来ると聞いた事がある。

あんなに立派な肩毛なら、小雨くらい弾きそうだなぁ、

と思ってはっとした。

 

これは、アメンボからのメッセージではないだろうか?

去年の初冬、季節外れのアメンボを見てはしゃぎ、

春になったらまた探すんだ、などと言っておきながら、

すっかり忘れていた。

季節は流れて、もう初夏だ。

痺れを切らしたアメンボが、メッセージを送ってきたのではないだろうか?

 

という事は、あの男性はアメンボの精なのだろうか?

痩せ型に、スラリと長い手脚。

よく考えなくても、アメンボに似ている。

 

男性は、小道を曲がってどこかに消えてしまった。

物陰で、人目を忍んでアメンボの姿に戻る様子を想像してみた。

その後、来た道を戻って小川に帰るのかと思ったら、おかしかった。

アメンボは飛べるらしいから、きっと飛んで帰ったろう。

 

アメンボの小川を横目に見ながら、駅に向かった。

明日晴れたらアメンボを探そう、と思った。

イカと湿布と焼却炉 2015.06.05

shoukyaku

shoukyaku

雨の絵がうまくいかなくて、

ひたすら点々点々と試作をしていたら、右手の親指が痛くなった。

寝たら治るかと思っていたら、治らない。

悪化すると大変だという話を聞くので、大げさな気もしたけれど、

湿布を貼って過ごす事にした。

湿布なんて久しぶりだなぁ、と思っていたら、ある騒動を思い出した。

子供の頃の、バカげた騒動である。

 

最近はどうか分からないけれど、私が子供の頃は、

田舎では一家に一台くらいの高確率で、焼却炉があった。

ドラム缶だとか一斗缶だとかで作った、自作の焼却炉である。

その焼却炉で、燃せるゴミはじゃんじゃん燃していた。

なぜ、わざわざ家で燃していたのだろうか?

ゴミの収集が、有料だったのだろうか?

それとも昔からの習慣だろうか?

子供だったので、その辺の事情は考えもしなかったけれど、

当時は大抵の家で燃していた。

 

我が家にも、一斗缶タイプの焼却炉があった。

冬場のゴミ燃やしは幼心に楽しく、私も率先して手伝ったものだった。

 

その騒動は、私がゴミ燃やしなんて手伝わなくなった頃…

多分、小学生の終わり頃から、中学生になった頃に起きた。

母が、家の焼却炉に、ブヨブヨに腐ったイカを入れられたと言うのだ。

その日は、図々しい人がいるものねぇ、という話で終わった。

 

ところが次の日も、イカを入れられたというのだ。

もしかして、嫌がらせかしら?という話になった。

 

それからも、イカを入れられる日が続いた。

母は、近所の人かしら?何か恨まれるような事をしたのかしら?

と、ノイローゼのようになっていた。

あんた、恨まれるような事したんじゃないの?と、

あらぬ疑いをかけられ、私も滅入った。

家に嫌がらせをするために、

毎日イカを買って腐らせる手間を惜しまない人を思うと、

相当なものを感じた。

 

ところがそれは、とんだバカげた勘違いだったのである。

ブヨブヨに腐ったイカの正体は、母の湿布だったのだ。

「あれ、イカじゃなくて私の湿布だったの」

ある日家に帰ると、誰もいないのに小声で母が言ってきた。

「ちょっと来て」

そう言われて、焼却炉でゴミが燃える様子を見せられた。

 

紙類などが燃えてスス化していく中、

湿布のペタペタした部分が熱で溶けてブヨブヨになって、

クルンと反り返り、火が消えた後それだけ残った。

湿布の残骸は、確かに腐ったイカに似ていた。

 

湿布は燃やせないのね、と母は言った。

当たり前だと思った。

あんなに湿り気のあるものを、なぜ燃やせると思ったのか?

 

家の焼却炉は、いつの間にかなくなってしまった。

いつなくなったのだろうか?

そういえば、親指の痛みも、いつの間にか消えていた。

使用済みの湿布を、久しぶりに燃してみたくなった。

雨で足止め 2015.05.28

20150528

20150528

月刊絵本の試作をしている。

先月末に、ラフのOKをいただいたものだ。

予定通りに進んでいて、なかなか調子が良いぞ!と思っていたら、

雨で足止めをくらった。

 

雨といっても、外で絵を描くわけでもなし、

お天気の雨ではなくて、絵の中の雨の事だ。

自分が想定していた、涙っぽい感じで描いたら、

ワイワイ賑やか、何やら愉し気な雰囲気になってしまって、

びっくりした。

単体でみると、シトシト雨なんだけどなぁ。

絵の世界観との相性なのかな?

色を変えてみたり、太さを変えてみたり、

密度を変えてみたり…

 

散々悩んで、ラフの時にラフに入れていたザーザー雨が、

寂し気な感じで、意外としっくりきた。

考え過ぎないで描いたものが、正解なのかもしれない。

けど、ひとまず候補を絞って、先を進める事にした。

一通り描き終えたら、分かる事があるかもしれない。

 

それにしても、雨に予定の倍以上かけてしまった。

4日間の遅れだ。

ブログを書いている場合ではないんだけど、

点々点々と雨を描き過ぎたせいで、

親指が腱鞘炎?みたいな事になってしまって、痛い痛い。

気持ちは焦るけど、悪化すると後から大変らしいので、

湿布を貼ってちょっと休憩している。

 

写真は、ひたすら雨を描き比べているところ。