見本 2015.10.20

20151021

20151021

「てがみがほしいみつあみちゃん」、見本が届いた!

10月末か11月頭になると伺っていたから、びっくり嬉しい。

発行は12月なので、もう少し先。

担当さんに、「編集部では好評です」と言ってもらえて、

少しほっとした。

あとは、子どもたちやそのお母さん、保育士さんたちが、

楽しんでくれるといいのだけど…

こればかりはもう分からないから、ドキドキ過ごすしかない。

 

「みつあみちゃん」の作業が落ち着いてから、

しばらく時間はあったのだけど、

出来上がりまでは、何となくそわそわ落ち着かなくて、

ここ1ヶ月ほど、だいぶのんびりと過ごした。

散歩をしたり、お茶をしたり、ごはんを作ったり食べたり、

気ままに落書きをしたり。

自分が何者でもない感覚は、気楽でもあり、不安でもあり、

どこか寂しくもあり、始終フワフワとした不思議な感じだった。

 

次の本は、タコが主役ののんびりとした世界の話。

舞台は、海じゃなくて山。

この間、担当さんと打ち合わせをした時、

私は売れっ子でもないのに、生意気に疲れていて、

スケジュールについて、のらりくらりとしていたら、

「井上さんのペースで大丈夫だから」と言って下さって、

なんて優しい人なんだろう。

今思うと、申し訳ない。

気力体力が復活してきて、頭の働きが戻ってきたら、

自分は本当に恵まれているなぁ、と思った。

「みつあみちゃん」も出来上がって、

頭も切り替わってきたから、またがんばりたい。

来年の初夏には出版出来るといいな。

美味しい山の空気がもれてくるような、いい本にしたいな。

 

タコのお話とは別に、自分にはどうしても本にしたい

物語があって、(大げさな表現だけど)死ぬまでに

本にしたいなぁ、とずっと思っている。

暗いし、こわいし、悲しい話だから、

なかなか難しいと思うけど、最後はすごく希望があって、

自分が子供の頃に読んだら、きっと気に入っただろうと思う。

がんばっていれば、いつか本にできるかな?

のんびりはこれでおしまい。

今日からまたがんばろう。

校了と少しお知らせ 2015.09.30

20140930

20140930

『てがみがほしいみつあみちゃん』、校了しました。

 

上の画像は、校了記念に描いた、みつあみちゃんの世界。

お菓子の箱とかに出来たら楽しいなぁ、なんて思いながら

描きました。

みつあみちゃんの世界には、子供だった自分が

「あったらいいな、いたらいいな」と思っていたものたちを、

それこそお菓子の詰め合わせのように、たくさん詰めました。

それは、直接物語には関わってこないけれど、

みつあみちゃんの世界を作る、大切なものたちです。

物語を楽しんでもらいたいのは勿論なのですが、

読み終わった後にも、

その世界で空想遊びをしてもらえたらいいな、

と願いながら作った絵本です。

その辺りの事については、また改めてここに書こうと思います。

 

発行日にはまだ時間がありますが、大まかなお知らせを。

『てがみがほしいみつあみちゃん』は、月刊絵本なので、

基本的には、定期購読をされている園で毎月配布されるものです。

チャイルド本社「おはなしチャイルド」を購読されているお子さん、

ご家族の皆さん、ぜひご覧下さい。

『みつあみちゃん』は12月号なので、12月の初旬頃、配布される予定です。

(園によって、配布の時期は幅があるようです。)

なのですが、書店でご注文を頂ければ、一般の方にもご購入いただけます。

ハードカバーではありませんが、380円と大変お買い得です!

少しお手間をかけてしまいますが、ご注文頂けると嬉しいです。

書店によって、時々受け付け出来ない事もあるそうなのですが、

大きめの書店でしたら、まず大丈夫との事です。

ご注文頂く際は、

チャイルド本社 おはなしチャイルド第489号(12月号)

『てがみがほしいみつあみちゃん』

作・絵 井上コトリ

と、ご注文下さい。

出版社に直接ご注文頂く事も出来るのですが、

送料がかかってしまうので、お近くの書店でご注文頂くのがおすすめです。

私の方で、手売りも出来たらよいのですが…

ちょっと、確認してみます。

ご購入の方法は、発行が近づいたら、また改めてお知らせしようと思います。

 

素直な物語と、大好きな世界が描けました。

『てがみがほしいみつあみちゃん』を、どうぞよろしくお願い致します。

 

亀洗い 2015.09.05

kame

kame

夕方、いつもの道を歩いていると、

住宅に併設された駐車場で、

かがんで何かを洗っている人がいる。

ホースで勢いよく、バシャバシャと洗っている。

 

車を洗浄した後に、洗車道具でも洗っているのだろうか?

と思ったら、亀だった。

カレー皿くらいの大きさの、なかなか立派な亀が、

みかん箱くらいの大きさの水槽に入ったまま、

水槽ごと洗われている。

洗い主は、ホースの水をバシャバシャと掛けては捨て、

掛けては捨て、を繰り返している。

亀を水槽から出して、水槽をタワシで擦ったり、

必要によっては、亀本体も擦ったりしなければいけないのが、

面倒なのだろう。

水圧だけで、亀も水槽もきれいにするんだ、

という意気込みが伝わってくる洗い方だ。

亀は抵抗する様子もなく、ガタゴトとなすがままにされている。

 

亀はどんな気持ちなのだろうか?

やめてほしいのだろうか?何とも思っていないのだろうか?

それとも、楽しんでいるのだろうか?

 

ふと、自分が子供の頃、ガソリンスタンドの洗車機に、

車に乗ったまま入るのが好きだったのを思い出した。

ひとりで車に乗っていると、ちょっと恐くて、ドキドキして、

自分が強くなったような気がして興奮した。

ガソリンスタンドに行くと、よくせがんだものだった。

 

一瞬、亀と心が通じたような気がした。

気のせいかもしれないけれど。

お花みたいな人 2015.09.03

ohana

ohana

知っている人が亡くなったという話を、人づてに聞いた。

ご病気を抱えていたのは知っていたのだけど、

あまりに突然な気がして、まさか、と思った。

 

最初は信じられないような、ぼんやりとした気持ちでいたけれど、

しばらくしたらポロポロ涙が出てきて、止まらなかった。

それで、よくよく思い返してみると、

その人にお会いしたのはたった2回ほどで、

しかも、どちらも数分の間だけだったから、驚いてしまった。

どうしてこんなに涙が出るのだろう?と不思議に思った。

その人も絵を描いている人だから、というのはあるかもしれないし、

SNSで、時々おしゃべりをさせていただいた事もあるので、

純粋に2回しかお会いしていない、というのとは、

ちょっと違うかもしれない。

それでも、こんなに涙が出るのは、やっぱり不思議だった。

それで、思った。

私は多分、これからもっとお近づきになれるつもりでいたのだ。

勝手に、そんな気でいたのだ。

今はまだ、その機会がないけれど、

これからきっとそういう機会があって、

少しずつお近づきになっていくのだろうと、思い込んでいた。

現実には、未来の不確かな事なのに、

心の中では現実のようになっていた。

だから、こんなにも涙が出たのだろう。

 

その人の個展会場にお邪魔した時、初めて会った私に、

「あなたの絵が好きなんですよ」と言って下さった。

優しさもあったのかもしれないけれど、とても嬉しかった。

「私もあなたの絵が好きです」と言おうとして、やめてしまった。

そのタイミングで言ったら、お返しのように聞こえてしまう気がして、

嘘くさく聞こえてしまう気がして、やめてしまった。

もちろん、好きだから個展にお邪魔しているわけなんだけど、

そういう事は、言葉にしないと案外伝わらないものかもしれない。

言えばよかった。本当に。バカだったなぁ、と思う。

 

白いお花みたいに、清らかで、可愛らしくて、

優しくて、強い人だったと思う。

私はそれを知るほどに近づけなかったけれど、

きっとそういう人だったと思う。

色校正 2015.09.04

20150904

20150904

『てがみがほしいみつあみちゃん』の色校正をしに、

編集部にお邪魔した。

 

今回は、正式な名前は分からないけれど、

マットコート系の紙を使っているので、

風合いのある紙を使った時に比べると、

発色がとてもきれい。

緑色がもう少し鮮やかになるといいな、というのと、

薄暗い場面が、ひんやりした雰囲気になるといいな、

というくらいだった。

初校でかなり良い感じだったので、再校でより良くなるといいな。

今月中に、校了する予定。

 

編集部のみなさん、とても忙しそうだったけれど、

知っている方々とご挨拶が出来て嬉しかった。

帰り際になって、突然土砂降りになってしまって、

傘をお借りしたのに、道の途中で晴天に。

せっかく借りたのに、なんだか申し訳ない気分。

入稿 2015.08.27

20150827

20150827

『てがみがほしいみつあみちゃん』、本文も表紙周りも、

全て入稿されたようだ。

私が遅れた分、編集さんがすごい速さで動いて下さり、

納品してから10日ほどで入稿となった。

すごい!!!

上の写真は、入稿前に確認用に送っていただいたカンプ。

タイトル文字は、書き文字かフォントか迷ったけど、

担当の編集さんやその上司さん、それから、

私もよくお世話になっている編集部内の方の意見も伺って、

書き文字にする事に。

個人的には、フォントの方が落ち着くかな?

と思っていたんだけど、書き文字、頑張って書いたから、

選んでもらえてちょっと嬉しい。

週明け頃、初校が出る予定。

いい色が出ますように!

 

ネズミとおじさん 2015.08.21

nezumi

nezumi

夕方、商店街を歩いていると、

珈琲豆店に入ろうとするおじさんの背後で、

女子高生3人組が、

「気持ち悪いよ」「え〜可愛いよ!」

「気持ち悪いよ」「え〜可愛いよ!」

と繰り返している。

 

少し離れた位置にいる私にも聞こえるくらいだから、

おじさんには確実に聞こえているはずだ。

おじさんの複雑な気持ちを思って、

いたたまれない気持ちになったその時。

 

おじさんの足元を、チョロリと駆け抜ける灰色の塊が見えた。

灰色の塊は、店先に飾られた樽の影に隠れた。

ネズミだ。

そうか。女子高生たちは、ネズミを見ていたんだ。

 

可愛いなぁ、と思った。

その子たちも、いつもは気持ち悪いと思うネズミも、

ついでに本当は関係なかったおじさんも。

珈琲豆店も、ガヤガヤとした商店街も、

ベタベタとした夏の夕方の空気も全部、可愛いと思った。

納品 2015.08.19

20150819

20150819

『てがみがほしいみつあみちゃん』は、先日10日に本文の絵を、

後送で、昨日表紙と裏表紙の絵を納品した。

これから確認作業があるけれど、制作作業はとりあえず一段落だ。

上の写真は、役目を終えた試作たち。

 

今回は、事務的なところで、本当に色々と反省しなきゃいけない。

締切に間に合わなかったのだ。

どうして間に合わなかったかというと、

怠けていたなら反省の内容もシンプルで、

次から怠けなければ済む話なのだけど、

そうではないから、色々と考えないといけない。

怠けていないのに、間に合わなかった。

これは良くない。

怠けていたより、良くないと思う。

 

そもそも今回の仕事は、1年以上前に予定が決まっていた。

だから、いただいたスケジュールが短かったわけでは全くない。

むしろ、決まってから締切までの時間に余裕があったので、

この前にもう一仕事したい、と思ってしまったのだ。

余裕があるといっても、一仕事入れるには、ちょっときつい期間だった。

でも、休まなければなんとかいける!と思ってしまった。

スケジュール帳に、1日も休みがない予定を書き込んだ。

今思えば、アホである。

予定というのは、そもそも余裕をもって立てるものだし、

長期間休まなければ、体調も崩す。

 

思い返せば今までも、私は気持ちで突っ走るところがあった気がする。

身体の事を、ほとんど考えなかった。

それでも何とかなってきたのは、単純に若かったからかもしれない。

「35歳を過ぎると、ガクッと体力が落ちるよ」

という話は、よく聞いてはいたけれど、まさにそれかもしれない。

気持ちだけじゃなくて、身体の事も

考えなきゃいけない年頃になったのかもしれない。

自分より年上で、もっと忙しく活躍している人たちも、

勿論いるわけで、それを思うと、情けない気持ちになるけれど、

自分の体力やペースの事、きちんと考えようと思う。

せっかく好きな事をさせてもらえていて、

すごく幸運な事だし、ありがたい事なのに、

「しんどい」気持ちが前に出て来てしまっては申し訳ないし、

勿体ないし、とにかく絶対良くないと思うから。

 

こんな感じで、反省がやたら多いけど、

良い事も、ちょっとだけあった。

時間がなくて、身体もヘロヘロでしんどかったけど、

全然手は抜かなかった事!

まぁ、当たり前の事なんだけど…。

 

それから、スケジュール的には反省しなきゃいけないんだけど、

1年前に試作していた仕上がりのイメージと、

その後他の仕事をさせていただき、

実際仕上げたイメージは結構違っていて、

実際仕上げたものの方がお話に合っていると思うから、

この時期に本制作出来た事は、制作的には良かったと思う。

いや、やっぱりダメなんだけど…。

 

作品自体は、自分が住みたいくらい大好きな世界が描けた。

巨大なすずらんに、巨大な蕪。

ご機嫌なワニに、空飛ぶ魚。

手のひらに乗るくらい、小さな象や馬。

白い壁に、赤い屋根の家々。

みんながのんきで、でもちゃんとひとりでいる世界。

反省はしつつ、これから仕上がりまで、とても楽しみだ。

8月のカレンダー 2015.08.04

20150804

20150804

8月のカレンダーはタコ。

夏といえば海。

海といえばタコ。

私はイカよりタコが好き。

見た目も味も、タコが好き。

絶対絶対タコが好き。