ちゃんとしてない 2014.11.23

kareha

今日は暖かかったので、

もしかすると、アメンボがいるかもしれないと、

遊歩道の小川沿いを歩いて探す。

 

調べによると、アメンボの活動は10月まで。

11月は冬眠に入っているはずではあるけれど、

人間でいうところの「宵っぱり」というか、

まだ冬眠せずに、閑散とした小川を悠々と滑っている

少数派がいるかもしれない、と予測したのだ。

 

すっかりオレンジ色になった桜の木の下を、

水面に目を凝らして歩いた。

時々自分の靴が、枯葉を踏むサクッという音が聞こえた。

アメンボは、見つからなかった。

 

ちゃんとしてるなぁ、と思った。

アメンボは、真面目だ。

 

なんだかつまらないような気持ちになって、

帰ろうとした時だった。

例の波紋が見えた。

ちゃんとしてないアメンボが、一匹だけいたのだ。

浮いている枯葉を得意気によけながら、

仲間のいなくなった水面を闊歩している。

 

しばらくそれを眺めて、満足した気持ちで帰った。

あのアメンボが人間だったら、仲良くなってみたいものだ。

きっと、愉快なやつだろう。